和歌山県農福連携講演会を開催しました!
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日 時 | 2023年(令和5年)10月4日(水)13:00~16:30 |
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場 所 | 和歌山県JAビル 和ホール |
主 催 | 和歌山県 |
協 力 | 和歌山県農業協同組合中央会(JAグループ和歌山農業振興センター) |
参加者 | 57人(農業生産者、障害福祉サービス事業所、JA関係者、行政機関、大学関係者等) |
基調講演
中野 和代さん(一般社団法人三重県障がい者就農促進協議会 代表理事)
一般社団法人三重県障がい者就農促進協議会では、「農業ジョブトレーナー」を養成しながら、障害福祉サービス事業所や農業経営体をサポートすることで農福連携を推進しており、これらの取り組みが国に評価され、農林水産省の第8回「ディスカバー農山漁村(むら)の宝アワード」においてグランプリを受賞されています。
障害のある方のできないことに焦点を当てるのではなく、「誰もが可能性をもっている」をコンセプトに、どのようにすればできるのかを一緒に考える農業ジョブトレーナーの育成に取り組んだきっかけや、農業ジョブトレーナーが実践する農業生産者と障害福祉サービス事業所とのマッチングのノウハウ等をご講演いただきました。
農業生産者報告
中早 大輔さん(和歌山県農協青年部協議会 会長)
八升豆の収穫や生産等を障害福祉サービス事業所に委託した際の感想や今後の可能性についてご報告いただきました。
臨時雇用に頼った家族経営の農業において、働き手不足が大きな課題となっている中、農福連携を進めながら誰もが働きやすい環境に改善することで解決したいと抱負を語られました。
事業所報告
平原 正雄さん(社会福祉法人つばさ福祉会 エコ工房四季 管理者)
「ささえられるよりささえたい」をスローガンに農福連携に取り組み、徐々に地域からの信頼を得て、圃場を拡大しながら生姜の栽培や水耕栽培に取り組まれています。
農業は「しんどいけれどやりがいがあり、心身ともに健康になった。責任感が出てきた。」など、挑戦してみなければわからない想像を超えたメリットがあることをご報告いただきました。
巽 都喜彦さん(社会福祉法人ふれあい ふれあい作業所 生活支援員)
ミニトマトのハウス栽培や、地域の農業生産者から請け負っている山椒、みかんの収穫等の実績から、農福連携を進めるにあたっての作業料金設定の工夫等をご報告いただきました。
また、農福連携に取り組むことで、障害のある方は、「生活リズムが整う」→「仕事ができる」→「自信がつく」という好循環が生まれ、一般就労につながったという事例もご紹介いただきました。
津田 純一さん (社会福祉法人きのかわ福祉会 ふるさとファーム 管理者)
事業所周辺に多数の圃場を借り、米、玉ねぎ、なす、白菜等を年間を通じて栽培されている状況や、ポン菓子やドライフルーツ等の食品加工の取り組みについてご報告いただきました。
また、花王株式会社和歌山工場との協働により、同工場の食堂から出た食品廃棄物を堆肥原料化して圃場の土づくりに用い、農業体験も交えながら生産した野菜を社員食堂の食材として活用するという「持続可能な循環型の食品リサイクル」の活動もご報告いただきました。
大中 一さん(社会福祉法人一麦会 はぐるま共同作業所和の杜 管理者)
「農家さんのもったいない」のニーズに応える食品加工の取り組みについてご報告いただきました。
小規模な食品加工業者が少なくなってきている中、企業や農業生産者からのニーズも高まっており、大企業の工場ではできない手のかかる加工などにもチャレンジされているとのことでした。
行政報告
和歌山県福祉保健部障害福祉課
農福連携を推進するための県の施策について、認知度向上のために開設した県公式農福連携応援サイト「ノウフクわかやま」の紹介や、農業生産者と障害福祉サービス事業所とのマッチング支援の説明を行いました。