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ソーシャルファームもぎたて(社会福祉法人一麦会)

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農福連携で平和で持続可能な地域社会をつくる

どんなことをしている事業所ですか。

 自然の恵みをおいしく使った農産加工、休耕地を利用した農業、ファーマーズマーケットのなかに併設した飲食店の経営などに取り組んでいます。
 社会的企業を意味するソーシャルファーム【social firm】は社会的課題の解決を目的としてビジネスを行っています。

ソーシャルファームもぎたて(作業風景)

 最低賃金の保証など通常の労働条件のもと、障害のある人など労働市場において不利な立場にある人の雇用のために仕事を創造し、機会を提供しています。

ソーシャルファームもぎたて(敷地)ソーシャルファームもぎたて(利用者)

農福連携に取り組んだきっかけや、現在取り組んでいる農福連携について教えてください。

 農家の高齢化や後継者不足により休耕地や耕作放棄地が増加しています。2010年に紀ノ川農業協同組合から耕作放棄地での加工用トマトの栽培を提案され、農業へ参入しました。
 2014年に就労継続支援A型事業所(定員20名)として、ソーシャルファームもぎたてを開所し、2015年には紀の川市の紀ノ川農業協同組合の産直販売店「ファーマーズマーケットふうの丘」内に、カフェレストラン「ムリーノ」をオープンしました。
 同レストランでは生産した野菜等を使ったランチが好評となっています。
 現在では、借り受けた農地約2ヘクタールで、たまねぎ、トマト、大根、サツマイモ、キウイ、レモン、ウコンなどを生産しています。
 また、近隣農家からじゃばらの加工を請け負いや、アルファ化米粉、グルテンフリー菓子の製造など、農家の6次産業化にも貢献しています。

農福連携に取り組んでよかったことはありますか。

 休耕地となった梅畑の再生作業をしている際に、通りかかった高齢の農家さんに「自分たちが倒れていたら見つけてくれる人ができて良かった」と声をかけられました。
 農業従事者の死亡事故者数は、建設業の約2倍、全産業の約10倍もあります※。
 農業の担い手不足は、今働いている高齢の農家さんたちの命の安全を脅かすことにもつながっています。
 施設から出て農地で作業する障害のある人たちの存在は、農家の人々に安心感を与え、中山間地域農業においてセーフティネット(命綱)の役割を担うことができると考えています。
※農作業死亡事故調査(農林水産省)、死亡災害報告(厚生労働省)

今後の展望はありますか。

 「ヤギプロジェクト」を2022年6月から始めました。
 「ヤギプロジェクト」とは、紀ノ川農業協同組合とソーシャルファームもぎたてが始めた新しい取り組みで、紀ノ川農協協同組合の敷地内のファーマーズマーケットふうの丘でヤギを飼育し、新たな観光スポットとしてヤギを通じた楽しい交流の場とするとともに、ヤギを活用した除草剤や草刈り機を使用しない「エコな除草」等に取り組むというものです。
 環境保全型農業や有機農業など、持続可能な地域づくりに取り組んでいる紀ノ川農業協同組合と協力し、学校や太陽光パネルの下など除草剤が使いにくい場所でのヤギを活用したエコな除草や、ヤギの糞を堆肥として活用することに取り組んでいます。
 現在は、農薬や化学肥料を使用しない自然栽培に挑戦しており、今後はヤギの糞を利用した堆肥で野菜などを栽培・出荷し、売れ残りや残菜などはヤギのエサとするサイクルを構想しています。消費者がその野菜を購入することで資源循環型農業への参加にも繋がるのではないかと考えています。

事業所の概要

運営法人 社会福祉法人一麦会
事業所名 ソーシャルファームもぎたて
施設種別 就労継続支援A型
事業所所在地 〒649-6602 紀の川市平野927
詳細ページ https://noufuku-wakayama.jp/officeinfo/08_mogitate/