エコ工房四季(社会福祉法人つばさ福祉会)
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農福連携で「支えられるより支えたい」
どんなことをしている事業所ですか。
障がいのある人が「多くの人と交わり、自分の可能性を伸ばすこと」、「自律した生活を目指すこと」、「社会での役割を果たすこと」の3つを挑戦する障害福祉サービス事業所です。
エコ工房四季では、清掃業務の受託やディーゼル車に使われる尿素水製造・販売、耕作放棄地等を活用した農作業を生産活動の中心として活動しています。
農福連携に取り組んだきっかけや、現在取り組んでいる農福連携について教えてください。
東牟婁圏域では、耕作放棄地の増加や農業の担い手不足の問題が深刻であり、みくまの農業協同組合(JAみくまの)から農福連携の取り組みについての強いアプローチがあり、耕作放棄地でにんにくの植え付け、収穫、種割作業などから徐々に始めていきました。
農作業を始める以前は、行政機関からの委託でリサイクル業務や清掃業務等を請け負っていましたが、単年契約であり不安定な収入だったため、法人独自の生産活動を検討しているさなかの農福連携のお誘いでタイミングが一致し農業に参入しました。
2019年からは4反で水稲栽培を始め、2022年現在では8.5反まで事業を拡大しています。また、地元のしょうが農家さんの要請を受け、種しょうがの栽培や、しょうが栽培に必要な敷き藁など、様々な作業に携わるようになりました。
現在では、サイパン芋や梅、菜花、玉ねぎなどを栽培しており、現在も地域の農家さんから耕作放棄地を活用してほしいとの要望が増加中で、地域での需要の高まりを感じています。
そのほか、農福連携に取り組んでよかったことはありますか。
農家さんからの草刈り作業、播種作業、収穫作業などの依頼が増えるとともに、事業所で栽培した農作物も口コミ等で徐々に販売量が増えていっています。この結果、障害のある方へ支払う「工賃」を増やせることをうれしく思います。
自ら栽培した農作物の評判が良くなり、結果として工賃につながることが、障害のある方のさらなるやりがいを生み出すという好循環につながっていると感じます。
和歌山県内で初めて「ノウフクJAS」の認証を受けました!
事業所で栽培した米、梅、にんにく等が和歌山県で初めて「ノウフクJAS」の認証を受けました。
「ノウフクJAS」とは2019年に制定された日本農林規格で正式名称は「障害者が生産行程に携わった食品の農林規格(平成31年3月29日農林水産省告示594号)」といいます。当事業所の障がいのある人が、地域の困りごとである耕作放棄地に米や野菜などを作り、また農産物を作る方(農家)が減少している中で、障がいのある人が担い手となり地域の活性化につながっていることなどが評価されました。
ノウフクJASはまだまだ知られていないのが現実です。しかし、全国で同じようにノウフクJASを取得される事業者が増加してきており、これに伴い少しずつですが企業なども関心を示すようになってきました。このように今後はもっと勢いを増して社会的に認知されていくものだと思っています。
また、農福連携では障がいのある人たちが「地域で支えられる側から、地域を支える側」になり活躍できる一つの方法だと思っています。農福連携(ノウフクJAS)とは、自分たちが畑や田んぼを所有して農家として活躍するだけでなく、農家の方々が人手不足などで悩んでいるところに私たちが出向き協力していくことや、農家の方が育てた大切な農作物を加工や商品化するなど様々な面で活躍できるものだと感じています。
事業所の概要
運営法人 | 社会福祉法人つばさ福祉会 |
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事業所名 | エコ工房四季 |
施設種別 | 就労継続支援B型 |
事業所所在地 | 〒649-4115 東牟婁郡串本町古座1004番地 |
詳細ページ | https://noufuku-wakayama.jp/officeinfo/37_ekokobosiki/ |