AGALA(一般社団法人大地)
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地域の困りごと解決で自然に農福連携
どんなことをしている事業所ですか。
AGALAでは、企業等に雇用されることが困難な障害のある方に対し、作業や販売などの機会を提供し、就労に必要な知識及び生活能力向上のために必要な訓練、その他の支援を行うことにより、長くやりがいを持ちさらなるステップアップの意識を持って働き続けることを支援しています。
近年、希薄になってきている人と人との繋がりや、挨拶や言葉を交わすことで、自分の役割に気づき、当たり前なことを様々な業務の中で学んでいます。
当法人の理念は「共に生き朋に幸せに」です。「迷惑はお互いさまで、自分は迷惑をかけるかもしれないから、人のことも許し助けてください」と至ってシンプルに人との関わりに重きを置いて日々支援しています。
農福連携に取り組んだきっかけや、現在取り組んでいる農福連携について教えてください。
「まごころサービス」という地域の高齢者・障害のある方等のお困りごとの解決のため、草抜き、荷物整理、墓の清掃等の業務を始めたのがきっかけでした。
「まごころサービス」は、最近希薄化している地域でのコミュニティや障害のある方の理解促進など様々な角度から考察し、有田市の少子高齢化で足りなくなる労働力を障害福祉サービス事業所が補う目的で開始したものです。
口コミは広がり、人手不足・後継者不足で悩む梅農家さんと知り合い、人手が必要な梅拾い等の作業を請け負うこととなりました。 作業対価は障害のある方の仕事ぶりを見てから決めてくださいとしていたところ、仕事ぶりを評価いただき、当時の和歌山県の最低賃金である時給859円で契約いただくことができました。
そもそも、農家さんは障害のある方との関わりがなく、「仕事ができない」との先入観や、「話しかけ方がわからない」という理解不足があったようですが、共に働く中で「障害のある方からの元気な挨拶」や「障害のある方との休憩での楽しい交流」は農家さんのモチベーションを上げ、単なる人手としてだけではないプラスの影響があるのではないかと感じています。この農家さんは共に働く中で様々なハプニングも楽しめるようになり、障害のある方が失敗しても許せる存在となっていったようです。
今では、当法人だけでは請け負いきれないほど農作業等の依頼があり、近隣の障害福祉サービス事業所と連携して、地域一丸で取り組んでいます。
今後の展望はありますか。
有田と言えばみかんです。2022年からはみかんの段々畑での作業に挑戦しています。
みかんの栽培には日当たりが重要であるため、畑が急傾斜地にあることが良い条件と言われています。
しかし、障害のある方にとっては、畑が急傾斜地にあることは作業に危険が伴うため、事前に畑を確認し、危険な場所を調査することが必要です。また、ある程度の予測も必要となりますが、作業をさせていただくことを前提に不都合な箇所はこちらから提案するようにしています。
この必要となる環境整備や配慮について支援員が主に農家さんと一緒に畑を点検し、必要であれば、草刈りや、危険箇所への進入禁止のバリケード、溝への鉄板設置等に取り組んでいます。作業当日は、自分で体調不良を訴えることが困難な方もおられるので、日々の体調管理(体温、酸素濃度、血圧など)なども重点的に実施しています。
みかん農家さんと障害のある方との関わりが今後どのような化学反応を起こすのか期待しています。
最後に、2021年から遊休農地で、関係者と共に野菜などを栽培しています。売上は度外視していますが、できた野菜を地域のカフェなどで買い取っていただき、ランチの一品として提供していただきました。
AGALAでは特に農福連携は意識していませんでしたが、地域の困りごとを行っているうちに自然と農福連携となっているのかもしれません。
今後も引き続き「共に生き朋に幸せに」の精神で地域の困りごとの解決と障害のある方への支援に取り組んでいきたいと思います。
事業所の概要
運営法人 | 一般社団法人大地 |
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事業所名 | AGALA |
施設種別 | 就労継続支援B型 |
事業所所在地 | 〒649-0304 有田市箕島13-2 |
詳細ページ | https://noufuku-wakayama.jp/officeinfo/15_agara/ |